「昔の戦いに巧みといわれた人は、〔ふつうの人では見わけのつかない、〕勝ちやすい機会をとらえてそこでうち勝ったものである。だから戦いに巧みな人が勝ったばあいには、〔人目をひくような勝利はなく、〕智謀すぐれた名誉もなければ、武勇すぐれた手がらもない。そこで、彼が戦争をしてうち勝つことはまちがいがないが、そのまちがいがないというのは、彼がおさめた勝利のすべては、すでに負けている敵に勝ったものだからである。」
勝つとは何か。自分の気持ちを満たすため、相手が屈することを目的として戦い、打ち負かすことではない。