「われ事において後悔せず
最初のは「悔いまじ」であったが、それではまだ弱いと考えられたのである。「――せず」でなければならない――われ事において後悔せず!
「よし」
武蔵は、満足した、そして胸に誓った。何事にも自分の為したことに後悔はしないというような高い境地へまで到達するには、まだまだこの身を、この心を、不断に鍛え抜かなければ及びもない望みとは思うのであったが、
(必ずそこまで行き着いてみせる)
と、彼は自分の胸の遠いところへ、理想の杭を打って、堅く信念するのだった。」
小説「宮本武蔵」より
吉川英治(歴史をテーマにした大衆小説を執筆した日本を代表する小説家)
『宮本武蔵: 全巻セット 日本文学歴史時代小説文庫』吉川英治, 歴史時代小説文庫編集部著
後悔しないよう、常に何事にも全力で望みたい。
※下記サイトで登録していただくと、毎朝、名言をお届けします。